秘密の記憶は恋の契約
真依が「ぷはー」とそれを飲み干して、ひと息つくと早速質問。

「で、なんで付き合うことになったわけ?」

棚田くんの問いかけに、残る私たち3人も「気になる」と興味津々だ。

小さくため息をついた真依は、渋々な様子で話を始めた。

「・・・だってさ。詩織に続き、美咲にも彼氏が出来ちゃったでしょ。しかもまた同期だし。

誰に愚痴るって、もう沢木くんしかいないわけ。それでお互い寂しい話をしてたら・・・なんとなく」

バツが悪そうに呟いた真依に、沢木くんはムッとしながら口を挟んだ。

「なんか、すごい『仕方なく』みたいに聞こえるんだけど」

「だって!美咲がイケメンにモテた後だよ!やっぱり、顔とか比べちゃうじゃない!!」

「・・・だから。それが傷つくんだって・・・」

真依と沢木くんが隣同士でブーブー言い合う。

私は触れられた自分の話題が気まずくて、何も言えずに黙ってしまった。

「まあ・・・そんだけ桑原が素を出して、沢木はそれでいいって付き合ってるんだろ。大丈夫だな」

「そうそう。真依の性格わかった上で付き合い始めてるんだもんね。大丈夫だよ」

綾部くんに続き、詩織が太鼓判を押す。

真依は「なにそれ!」と言って、これでもかと口を尖らせた。
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