秘密の記憶は恋の契約
私ははっと気が付いて、いまだ被り続けていた赤い帽子に手をかけた。

けれど即座に私の手首は、彼にきゅっとつかまれた。

「とるなって。とりあえず、今日が終わるまではかぶってろ」

そう言うと、彼は私の頭にサンタ帽をかぶせ直した。

そしてしばらく無言で私を見つめると、何かに納得したように「うん」とひとりで頷いた。

「おまえ、当日はサンタガールの格好しろよ」


(・・・え!?)


「な、なに言い出すの・・・!やだよ。そんな・・・コスプレみたいなの」

「『みたい』じゃなくてコスプレだ。絶対にかわいい。絶対に着ろ」


(えー・・・)


浴衣といいサンタガールといい、綾部くんは、結構衣装にこだわるのだろうか。

浴衣はいいけど・・・サンタガールはどうだろう。

「わざわざそんなの買いたくないよ」

「大丈夫だ、心配すんな。オレがネットで買ってやる」

「えーーーーっ・・・・!」


(どこまで本気なの・・・)


「オレのクリスマスプレゼントは、おまえのコスプレってことでいい」


(えっ!?)


「そんなのでいいの!?」

「そんなのでいい。っていうか、すげえ嬉しい」
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