秘密の記憶は恋の契約
(そうなんだ・・・)


そこまで言われると、さすがに期待に応えるべきかと思わず気持ちがぐらぐら揺れる。

「とにかく用意はまかせとけ。絶対似合うし絶対かわいい」

自信満々に、嬉しそうに言う彼に、私は結局頷いた。


(ここまで言われたら、さすがに着るしかないけども・・・)


期待はずれにならないかと、逆にちょっと心配になる。


(ま、まあ、着ることに意味があるってことで・・・)


ブツブツ考えていると、綾部くんはすっと私の頬に手をかけた。

はっとして顔を上げると、彼は私の唇を、なぞるように親指の先を滑らせた。

「まあ・・・とりあえず。それは、当日のお楽しみってことにしておいて」

言い終わるや否や、彼は私にキスをした。

そのまま深く口づけながら、彼の指が私のニットの下をくぐった。

冷たくて硬い指先が、腹部から上へと伸びてくると、私は身体を震わせた。

「美咲」

「・・・うん」

名前を呼ばれ、私はとろけそうな瞳で彼を見つめた。

すると彼はふっと笑って、妖しい目線を私に向けた。

「たまには美咲に襲われてえなー・・・」

「・・・は!?」


(な、なにを突然・・・!)
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