秘密の記憶は恋の契約
「いつも同じじゃつまらないだろ。たまには美咲からしてよ」

「えっ・・・」


(ど、どうしよう・・・)


私だって、普段、こういうときに自分から何もしないわけじゃない。

だけど、初めからそれを求められると、羞恥心が先に立つ。

「・・・」

「ダメなの?」

「・・・ダメじゃないけど・・・」

「じゃあ、して」

綾部くんがぐっと背中を後ろに倒す。

手を引っ張られた私は、彼に乗っかるような姿勢になった。

いつもと違う、綾部くんを見下ろす自分。

慣れない状況に戸惑っていると、何かを求めるように彼は私に視線を向けた。


(どうしよう・・・。でも、『いつも同じじゃつまらない』って綾部くんは言ってたし・・・。

もう、私とするのに飽きてきてるってことだよね・・・)


それは、困る。・・・というか、寂しい。

私は彼の気持ちを挽回すべく、心の中で覚悟を決めて、綾部くんのシャツのボタンに手をかけた。

1つ、2つ、3つ・・・と全てのボタンをはずし終え、上から彼にキスをする。

そのまま、はだけた胸にそっと指を滑らせると、彼は私の手首をつかんで、満足そうな顔をした。
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