秘密の記憶は恋の契約
「・・・なんか、やだ」

確かにかっこいい。仕事も出来る。友達としてはいいやつだ。

自分に自信があるのも、それは当然のことだろう。

でも。

女なら誰でも自分の思い通りになると考えていそうな彼の態度に、私は猛烈に腹が立った。

「なんかって、なんだよ」

「その自信満々な態度とか。モテるのはわかるけど、私が好きになるかなんて、そんなのわからないじゃない」

「・・・」

反発し続ける私に、綾部くんは「これ」と言って何やら入っていそうな会社のロゴ入り封筒を差し出した。

私はそれを無言で受け取り、少しふくらみのある封筒の中身を確認すると、目を見開いて「あっ」と小さく叫んでしまった。

「こ、これって・・・!」

「おまえの」

見覚えのある、ベージュのストッキング。

かかとの上にラインストーンで小さなリボン柄が描かれており、私のお気に入りの一足である。

確かこれは・・・昨日履いていたはずだ。

「な、ななな、なんで綾部くんが!!ヘンタイ!!」

ストッキングなんて、ほとんど下着のようなもの。

私は恥ずかしさでいっぱいになって、綾部くんに抗議した。
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