秘密の記憶は恋の契約
「ヘンタイって・・・。ずいぶんだな。置いていかれたこっちの身にもなれ。

かなり悩んだんだぞ。捨てていいかわからないし、こんなの・・・そのまま休憩室に置いておくわけにもいかないだろ」


(う・・・確かに)


わりともっともな理由。

課長にでも見つけられたら、私は多分、即座に泡を吹いて失神する。

悔しいながらも彼の意見に納得をした私は、おとなしくストッキングをカバンにしまった。


(ストッキング履いてないっていうのは気づいてたけど・・・どこで脱いだかなんて、全然考えてなかったよ・・・)


そんな私の気持ちを見透かすように、彼はにやっと意地悪な笑みを向けてくる。

「いつ脱いだと思う?気になるだろ、昨日のこと」

「・・・それは・・・」

「どうする?すでに、オレたちがそういう関係になってたら」

「そ、そういうって・・・」

「覚えてないんだろ?何も。昨日・・・オレが、おまえのこと抱いてたらどうすんの?」

「えっ!?ま、まさか・・・!だって・・・その・・・下着、ちゃんと履いてたし・・・」

うろたえる私に、彼のにやつきが一気に増した。

「終わった後で、オレが履かせたとか考えないんだ?」

「えっ・・・ええっ!?」


(まままままさかっ!)


楽しみしていたハンバーグの最後のひと口が、ポロリと床に落ちてしまった。
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