秘密の記憶は恋の契約
動揺する私に、綾部くんは畳みかけるように言葉をつなぐ。

「オレのこと、好きになったら教えてやる」

「・・・へ?」

「オレと付き合って、本気でオレのこと好きになったら教えてやるよ、昨日のこと」

「な、なな・・・そんなの、無茶苦茶だよ・・・!」

強引な取引。

結局は彼の思い通りになってしまう気がして、私は必死に抗議するけど。

「心配すんな。おまえは、絶対にオレのことが好きになる」

真っ直ぐに。

私を見つめた彼の瞳が、どこまでも真剣なものに見えたから。

「だから・・・おまえは、今日からオレの女になれよ」

彼の言葉に納得したのか、昨夜のことを知りたいだけなのか、自分でも、よくわからないけど。

甘く低い声で告げられた強引な告白に、私は思わず、コクンと頷いてしまったのだった。








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