秘密の記憶は恋の契約
カタカタと、緑の生い茂る家の軒先を、緑の電車が走っていく。
黒くなったレンガのトンネルを通り抜けると、極楽寺駅に到着した。
駅の改札を出て左に曲がると、綾部くんは私の右手を当たり前のようにきゅっと握る。
車道側を歩く彼の歩幅は、確実に私に合わせていた。
(どうしよう・・・ドキドキするな・・・)
繋がれた手から、感じるぬくもり。
時々、私に視線を向けているのはわかっていたけど、目が合うのが恥ずかしくて、うつむいたままで歩き続ける。
小さな横断歩道を渡り、下り坂になった道を進むと、斜め前方に鮮やかな紫陽花と石段が見えてきた。
道を渡ってその階段の前で立ち止まると、綾部くんは私に「行くぞ」と声をかけ、引っ張るように昇っていく。
(うー・・・)
「しょっぱなから、ハードなんですけど・・・」
「ハードって。大した階段じゃないだろ」
「大した階段だよ。ペタンコの靴だからまだいいけど・・・」
「エレベーターばっか乗ってるからだ。たまには階段使え」
「使ってるもん・・・たまには・・・」
黒くなったレンガのトンネルを通り抜けると、極楽寺駅に到着した。
駅の改札を出て左に曲がると、綾部くんは私の右手を当たり前のようにきゅっと握る。
車道側を歩く彼の歩幅は、確実に私に合わせていた。
(どうしよう・・・ドキドキするな・・・)
繋がれた手から、感じるぬくもり。
時々、私に視線を向けているのはわかっていたけど、目が合うのが恥ずかしくて、うつむいたままで歩き続ける。
小さな横断歩道を渡り、下り坂になった道を進むと、斜め前方に鮮やかな紫陽花と石段が見えてきた。
道を渡ってその階段の前で立ち止まると、綾部くんは私に「行くぞ」と声をかけ、引っ張るように昇っていく。
(うー・・・)
「しょっぱなから、ハードなんですけど・・・」
「ハードって。大した階段じゃないだろ」
「大した階段だよ。ペタンコの靴だからまだいいけど・・・」
「エレベーターばっか乗ってるからだ。たまには階段使え」
「使ってるもん・・・たまには・・・」