秘密の記憶は恋の契約
ブツブツと文句を言い合いながら、手を繋いで上る階段。

ふう、と息を切らせて頂上に辿り着いた私は、目の前に広がった光景に、思わず声をもらしてしまった。

「わあ・・・!」

高台からの絶景。

上って来た階段の頂上からは、長い下り階段が続いている。

その両脇に咲き誇る、色鮮やかな紫陽花たち。

それはそれは美しく、私はその場に立ち止まった。


(キレイ・・・)


紫陽花で彩られた階段は、まるで、特別な絨毯のよう。

見下ろす風景の先には、キラキラと青い海が広がっていた。

「キレイだね!!」

感動して綾部くんに声をかけると、「そうだろ」と言って、宝物を見せびらかす少年のようにフフンと笑う。

「紫陽花が有名な場所はたくさんあるけど、オレはここからの風景が一番好きだ」

「・・・そうなんだ・・・」
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