秘密の記憶は恋の契約
古民家を改築した、という和食料理屋さんで昼食をすませた私たちは、それから、いくつかのお寺を見て回った。

どこのお寺も、季節の花々が咲き誇り、私たちの目を楽しませてくれた。


(でも・・・やっぱり紫陽花がいちばんかな)


綾部くんが好きな花。

今日からは私も、いちばん好きな花になるかもしれない。

そんなことを感じながら、歩みを進めていくけれど。

「綾部くん。私、ちょっと疲れた」

平坦な道のりの途中、彼を見上げて訴える。

どのくらい歩いただろうか。

歩きやすい靴を履いてきたけれど、私の足にはだいぶ疲労が溜まっていた。

「そうだな。結構歩いたもんな。じゃあ・・・休憩するか」

そう言うと、綾部くんは調べておいてくれたのか、近くにあるカフェに連れて行ってくれた。
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