溺愛結婚!?〜ふたつ目の婚約指輪〜
目元に魅力的なしわを見せた吉本さんがテーブルを離れたあと、私と濠は再び椅子に座り笑い合った。
「ほかにもサプライズがあれば、早めに言ってね。
もう、キャパいっぱいで気持ちが追いつかない」
「それはまあ、これからのお楽しみだな。一生続くと思って覚悟してろ」
「一生って、どれだけ私を驚かせれば気が済むのよ。……でも、そうだね、一生だね」
結婚したというのはそういうことだ。
これまでどおりふたりで寄り添い生きることに変わりはないけれど、一生一緒にいられる約束をもらったということ。
何があっても、濠のそばにいられる後ろ盾を手に入れたようなものだ。
「結婚っていいね、おまけに溺愛結婚、素敵だね」
ぽつりと口にした私の言葉に、濠はおかしそうに肩を揺らした。
「じゃ、溺愛結婚に乾杯しようか」
「うん」