イジワル婚約者と花嫁契約
「代表、集中していますのでお静かに。……よろしかったら紅茶でもお飲みになりますか?」
「……すみません、あっでも……!」
「遠慮は無用です。ちょうど代表に淹れるついでですので」
小声でそう言うと、足音をほとんど立てることなく部屋を出ていった。
もちろんドアのしまう音も立てずに。
一連の流れに呆気にとられてしまう。
さすがは田中さんだ。
田中さんだったら忍者にでもなれるんじゃないだろうか。
そんなバカげたことを思いつつも、田中さんにお礼を言うタイミングを逃してしまったことに気付く。
そうだ、昨日のことお礼言わないと。
だって本当、田中さんが帰してくれなかったら、昨夜のような幸せな時間を健太郎さんと過ごすことなど出来なかったのだから。
お礼を言うべく意気込んでいるとあっという間に田中さんは戻ってきて、トレイの上から紅茶の香りが立つ。
すぐに立ち上がり田中さんを見習って静かに駆け寄った。
「手伝います。……昨日のお礼です」
お兄ちゃんに聞こえないよう小声で囁くと、田中さんは一瞬驚いた顔をしたものの、すぐにいつもの何を考えているのか分からない無表情となった。
だけど少しだけ目が笑っている。
「……すみません、あっでも……!」
「遠慮は無用です。ちょうど代表に淹れるついでですので」
小声でそう言うと、足音をほとんど立てることなく部屋を出ていった。
もちろんドアのしまう音も立てずに。
一連の流れに呆気にとられてしまう。
さすがは田中さんだ。
田中さんだったら忍者にでもなれるんじゃないだろうか。
そんなバカげたことを思いつつも、田中さんにお礼を言うタイミングを逃してしまったことに気付く。
そうだ、昨日のことお礼言わないと。
だって本当、田中さんが帰してくれなかったら、昨夜のような幸せな時間を健太郎さんと過ごすことなど出来なかったのだから。
お礼を言うべく意気込んでいるとあっという間に田中さんは戻ってきて、トレイの上から紅茶の香りが立つ。
すぐに立ち上がり田中さんを見習って静かに駆け寄った。
「手伝います。……昨日のお礼です」
お兄ちゃんに聞こえないよう小声で囁くと、田中さんは一瞬驚いた顔をしたものの、すぐにいつもの何を考えているのか分からない無表情となった。
だけど少しだけ目が笑っている。