イジワル婚約者と花嫁契約
そして次第に遠退いていく足音。
階段を下りる音が次第に聞こえなくなっていく。
「本当にごめんなさい」
もうドアの向こう側にお兄ちゃんはいないと分かってはいるけれど、どうしても言葉が漏れてしまい、そのままベッドに倒れ込んだ。
退院して三日が過ぎた。
本当は退院して次の日には職場復帰するつもりでいた。
だって千和さんにも、私の代わりに受付業務に入ってくれている人にも、これ以上迷惑かけたくなかったから。
そう思っていたけれど、今の私ではとてもじゃないけれど、会社になんていけない。
ベッドサイドに置きっぱなしのままの手鏡で、今の酷い顔を映し出すと、あまりの酷さに乾いた笑い声が漏れてしまった。
「本当に酷過ぎ。……こんな顔じゃ受付になんて立てないよ」
自分でも呆れるくらい勝手だなと思う。
だって自分から断ったくせに、毎日懲りずに泣き腫らしているのだから。
両親には次の日、事情を話した。
健太郎さんとの縁談はなかったことにして欲しいって。
一方的にだったけれど、健太郎さんにも伝えたからって。
階段を下りる音が次第に聞こえなくなっていく。
「本当にごめんなさい」
もうドアの向こう側にお兄ちゃんはいないと分かってはいるけれど、どうしても言葉が漏れてしまい、そのままベッドに倒れ込んだ。
退院して三日が過ぎた。
本当は退院して次の日には職場復帰するつもりでいた。
だって千和さんにも、私の代わりに受付業務に入ってくれている人にも、これ以上迷惑かけたくなかったから。
そう思っていたけれど、今の私ではとてもじゃないけれど、会社になんていけない。
ベッドサイドに置きっぱなしのままの手鏡で、今の酷い顔を映し出すと、あまりの酷さに乾いた笑い声が漏れてしまった。
「本当に酷過ぎ。……こんな顔じゃ受付になんて立てないよ」
自分でも呆れるくらい勝手だなと思う。
だって自分から断ったくせに、毎日懲りずに泣き腫らしているのだから。
両親には次の日、事情を話した。
健太郎さんとの縁談はなかったことにして欲しいって。
一方的にだったけれど、健太郎さんにも伝えたからって。