イジワル婚約者と花嫁契約
その話を当然泣き腫らした顔で言ったら、全てを察してくれたのかふたりとも「分かった」と言って、それ以上なにも聞いてくることはなかった。

お兄ちゃんにもふたりから事情を話してくれたのか、私の酷い顔を見ても詮索してくることなく、いつも通り接してくれている。

社会人としてあるまじき行動をしているというのに、さっきのように声をかけてくれて、黙認してくれている。
このままじゃだめだって分かっているのに、どうすることもできない。
私、こんなに弱い人間だったのかな?

そんなことさえ考えてしまう。

パパとママがなくなってから、ただ毎日が悲しくて辛かった。
それは今と同じかもしれない。
だけど、ある日を境にこのままじゃダメだ。……もっと強くならなくちゃって思えたんだよね。

それは子供心にだったのかな?

今だってそう思えているのに、元気なんて到底出そうにないよ――……。

また溢れ出た感情は涙として流れていく。

私は一体この先、どうしたらいいのかな?
自分のことなのに、どうしたらいいのか分からないの。
誰か教えて欲しい――。

カーテン閉めっぱなしの部屋でひとり、また涙を流してしまった。
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