イジワル婚約者と花嫁契約
しばし横顔に見惚れてしまっていると、夜空を見上げたまま健太郎さんはゆっくりと語り出した。
「俺と灯里が初めて会ったの、この公園だって知ってた?」
「え……ここですか!?」
驚きのあまり出た大きな声が公園中にひびいてしまい、慌てて口を覆った。
「そう、ここだったんだ」
可笑しそうに笑いながら、健太郎さんは話を続けた。
「灯里は幼少期、この近くの今はもう取り壊されてしまったアパートに住んでいたんだ。……俺達が出会ったのは灯里はまだ四歳で、俺は九歳の時だった」
四歳……。それはパパとママが亡くなった年だ。
そんな時に出会っていたなら、記憶にないのにも頷ける。
あの時はただ辛くて苦しいって記憶しかないから……。
「小学三年生になってから、両親にやたらと後継ぎとして勉強しろとか言われていてさ、遊び盛りだった俺にとって窮屈で仕方なかった。それでよく無理矢理入れられた塾をサボってこの公園に来ていたんだ」
「そうだったんですか……」
「そんな時、遊びに来ていた灯里と灯里のお母さんと会ってさ、何度か顔を合わせているうちに灯里には懐かれて、いつもひとりでいる俺に灯里のお母さんは心配して声をかけてくれたんだ」
「俺と灯里が初めて会ったの、この公園だって知ってた?」
「え……ここですか!?」
驚きのあまり出た大きな声が公園中にひびいてしまい、慌てて口を覆った。
「そう、ここだったんだ」
可笑しそうに笑いながら、健太郎さんは話を続けた。
「灯里は幼少期、この近くの今はもう取り壊されてしまったアパートに住んでいたんだ。……俺達が出会ったのは灯里はまだ四歳で、俺は九歳の時だった」
四歳……。それはパパとママが亡くなった年だ。
そんな時に出会っていたなら、記憶にないのにも頷ける。
あの時はただ辛くて苦しいって記憶しかないから……。
「小学三年生になってから、両親にやたらと後継ぎとして勉強しろとか言われていてさ、遊び盛りだった俺にとって窮屈で仕方なかった。それでよく無理矢理入れられた塾をサボってこの公園に来ていたんだ」
「そうだったんですか……」
「そんな時、遊びに来ていた灯里と灯里のお母さんと会ってさ、何度か顔を合わせているうちに灯里には懐かれて、いつもひとりでいる俺に灯里のお母さんは心配して声をかけてくれたんだ」