イジワル婚約者と花嫁契約
いつも苦しくて悲しくてどうしようもない私を救ってくれたのは、健太郎さんだったんだ……!
「断片的にしか覚えていませんが私、ある日を境に笑えるようになったことを覚えているんです。……それは健太郎さんだったんですね」
「灯里……」
例え記憶に鮮明の残っていなくても、これだけは断言できる。
あの日から私の心の支えになっていたのは、健太郎さんの言葉だったんだ――。
我慢していた涙はとめどなく溢れ出し、そのままゆっくりと健太郎さんに抱き寄せられた。
「俺が医者を志そうとしたのは、もう誰も大切な人を失いたくない想いと、そして灯里を幸せにしたかったからなんだ。あんなに反発していた勉強をして、灯里を迎えに行ったとき恥ずかしくない人間になりたい一心で、何事もただがむしゃらに頑張ったよ。……そのおかげで灯里の言う二重人格になったのかもしれないけどな」
可笑しそうに頭上でクスクスと笑う声が、くすぐったい。
「でも仕方なかったんだ。厳しい世界で生きていくために、時に自分を偽らないといけない時もあったから」
「断片的にしか覚えていませんが私、ある日を境に笑えるようになったことを覚えているんです。……それは健太郎さんだったんですね」
「灯里……」
例え記憶に鮮明の残っていなくても、これだけは断言できる。
あの日から私の心の支えになっていたのは、健太郎さんの言葉だったんだ――。
我慢していた涙はとめどなく溢れ出し、そのままゆっくりと健太郎さんに抱き寄せられた。
「俺が医者を志そうとしたのは、もう誰も大切な人を失いたくない想いと、そして灯里を幸せにしたかったからなんだ。あんなに反発していた勉強をして、灯里を迎えに行ったとき恥ずかしくない人間になりたい一心で、何事もただがむしゃらに頑張ったよ。……そのおかげで灯里の言う二重人格になったのかもしれないけどな」
可笑しそうに頭上でクスクスと笑う声が、くすぐったい。
「でも仕方なかったんだ。厳しい世界で生きていくために、時に自分を偽らないといけない時もあったから」