イジワル婚約者と花嫁契約
そう思ってそれからも俺は必要以上に灯里のことを気にかけていった。
高校を卒業し、大学生になってからずっと――……。

そしてそれは灯里が俺の会社に入社してからも変わらなかった。
口では「いい加減にして」とか「本当にやめて」と相変わらず言われていたけれど、灯里が本気で言っているようには見えなかったし、なんだかんだ言いつつ灯里も俺のことを気にかけてくれていることが、ヒシヒシと伝わるようになり、灯里に対する思いはむしろ日に日に増すばかりだった。

そんなある日だ。
俺が出張中に灯里がお見合いをしたのは。
しかもなんだ?外科医で実家が大きな総合病院経営していて、ハイスペックときた完璧男とだ。
それに俺と同じくらい灯里を想っている奴。

冗談じゃないって思った。
いくら灯里に見合う奴だと認めつつも、やっぱり可愛い灯里をアイツなんかに渡したくなかった。

そんな思いが打ち砕かれたのは、皮肉にもあいつに傷つけられてボロボロになってしまった灯里を見た時だった。
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