イジワル婚約者と花嫁契約
そんな灯里を見て思い知らされたんだ。
あんなに傷ついてしまうほど、灯里はあいつのことが好きなんだって。

両親から事情を聞いていた俺には、どうも腑に落ちない部分があった。
どう見てもアイツの灯里に対する想いは本物だったし、そんな理由で灯里とお見合いしたはずないと思った。
だから調べたんだ、あいつのことを徹底的に。

灯里をあんなに傷つけた男を調べ上げた。
するととんでもないことが分かり、確信を得るために今までとくに気に留めてこなかった灯里のことも調べてもらった。

「……マジかよ」

その報告書を見た時、思った。
“あぁ、あいつには勝てないな”って。
灯里を想う気持ちは本物で、俺以上だって。

悔しいけどそう思ったんだ。
だから灯里の背中も押してやることができた。
アイツの元へ行かせることができたんだ。



* * *

「それにしたってやっぱ早すぎるだろ」

灯里との思い出を振り返るも、やっぱり納得いかない。
そもそもまだ再会してから一年だろ?
なのに早すぎないか、お嫁にいくとか。……しかもアイツの元に!

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