イジワル婚約者と花嫁契約
もぞもぞと腕の中で動く千和もまた可愛い。
そんなことを思いながら千和のぬくもりを感じ取る。

「こっ、ここは和臣さんの実家です……!」

「だからなに?」

「だからって……!」

信じられない!と言いたそうに勢いよく顔を上げた千和。
大好きな千和の顔が間近に現れ、反射的にキスを落とせばまた千和は顔を真っ赤にさせた。

「しっ、信じられません!」

そして怒る千和だけど、我慢できず笑ってしまった。

灯里があいつと結婚するのは寂しいし、悲しい。
だけど千和の言う通り、俺には千和がいる。

それにどんなに悲しんでも、灯里が俺の妹であることに変わりはないし、灯里にとっても俺はこれからも兄だ。
一生家族として繋がっていける。
例え離れて暮らしても、その繋がりさえあれば十分だ。

「さて、と準備して式場行くか」

いまだに怒る千和に声を掛けると、不服そうに返事をしながらも後をついてくる。
そんな千和が可愛くてまた階段を下りている途中キスをしたら、怒られたことは言うまでもない。
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