イジワル婚約者と花嫁契約
「ほら、灯里の好きなチョコレート」
「あっ、ありがとう……」
満面の笑みで差し出されては、食べないわけにはいかない。
仕事に戻るのは一旦諦め、手に取ったチョコレートを口に含むと、一気に高級感ある甘さが口いっぱいに広がった。
「美味しいか?」
「うん、すごく美味しい」
そう答えるとお兄ちゃんはまた満足気に笑う。
さっきまであんな荒々しい声を出していた人には見えない。
だけどこの扱い……きっと私はお兄ちゃんの中でいつまで経っても、子供のままなんだろうな。
過保護ぶりもそうだけどこの扱いが何よりの証拠だ。
「さっきも言ったけどこうやってふたりっきりの時は、お兄ちゃんでいいんだからな?」
自分もチョコレートを食べながらそう言われたものの、素直に頷くことはできない。
「でもやっぱり家を出たらちゃんと分別をつけた方がいいと思うの。会社ではお兄ちゃんは代表って立場で、私は雇われの身なんだから」
「灯里はなにも分かっていないな。些細なことかもしれないが、人間にとって呼び方はとても重要なことだぞ」
そう言うとお兄ちゃんはもうひとつチョコレートを手に取りながら、得意気に話し出した。
「あっ、ありがとう……」
満面の笑みで差し出されては、食べないわけにはいかない。
仕事に戻るのは一旦諦め、手に取ったチョコレートを口に含むと、一気に高級感ある甘さが口いっぱいに広がった。
「美味しいか?」
「うん、すごく美味しい」
そう答えるとお兄ちゃんはまた満足気に笑う。
さっきまであんな荒々しい声を出していた人には見えない。
だけどこの扱い……きっと私はお兄ちゃんの中でいつまで経っても、子供のままなんだろうな。
過保護ぶりもそうだけどこの扱いが何よりの証拠だ。
「さっきも言ったけどこうやってふたりっきりの時は、お兄ちゃんでいいんだからな?」
自分もチョコレートを食べながらそう言われたものの、素直に頷くことはできない。
「でもやっぱり家を出たらちゃんと分別をつけた方がいいと思うの。会社ではお兄ちゃんは代表って立場で、私は雇われの身なんだから」
「灯里はなにも分かっていないな。些細なことかもしれないが、人間にとって呼び方はとても重要なことだぞ」
そう言うとお兄ちゃんはもうひとつチョコレートを手に取りながら、得意気に話し出した。