イジワル婚約者と花嫁契約
「ちょっと待て灯里!……まさかお前、好きな男でもできたのか?」

「え……やだ!そんなんじゃないから!例えばの話だよ」

慌てて否定するも腑に落ちない様子で、掴んだ肩を離してくれない。

「本当だな?でもいいか!好きな男ができたら、一番に俺に言うんだぞ!ちゃんと品定めしてやるから」

「うっ、うん」

勢いに押されうっかり頷いてしまったけれど……私、好きな人どころかもう既にお見合いしちゃっているんだよね。
なんて言ったらお兄ちゃんはどうなっちゃうんだろう。

「灯里の相手は俺よりもいい男じゃないと絶対許さないからな」

言いたいことを言えすっきりしたのか、やっと肩を離してくれた。

「まぁ、俺くらいの男なんてそこら中になかなかいるわけないけどな」

まるでおじさんのように「ガハハ」と笑うお兄ちゃんの隣で、私もただ笑うだけしかできない。

残念なことにこれがいるんだよね、お兄ちゃん以上のハイスペックな男が。

もし万が一お兄ちゃんに佐々木さんの存在を知られ、彼と会う機会があったらお兄ちゃんはどんな顔するんだろう。
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