イジワル婚約者と花嫁契約
最近どうもダメなんだよね、気になってしまうのだ。……彼のことが。
今でも鮮明の思い出せる。彼が電話で発した言葉が――。
“俺はその“なんか”って言う灯里と結婚したいと思っているから”
“だからもう二度と言うな。自分で自分の価値を下げるようなことをしたらだめだ”
いつになく真剣みを帯びた声に、ドキドキせずにはいられなかった。
あの声は冗談には聞こえなかった。……じゃあ本当に彼は私と結婚したいと思ってくれているのだろうか?
もしそうだったら私は……?
あの日からこの自問自答を繰り返してばかりだった。
おかげでいきなり今日の夜会うことになったばかりに、朝から時計が気になって仕方ない。
だって今夜、ずっと悩んでいた問題に答えが出るのだから。
「灯里ー!仕事終わったか!?」
就業時間終了数分前。
ソワソワと時計ばかりを気にしている時だった。
急にオフィスの扉が開くと同時にお兄ちゃんの陽気な声が聞こえてきたのは。
「え、代表?」
突然やってきたお兄ちゃんに唖然としていると、お兄ちゃんは得意気に言ってきた。
「今日は珍しくこの後予定がないんだ。だから久々に灯里と食事に行こうと思って」
「えっ!食事!?」
今でも鮮明の思い出せる。彼が電話で発した言葉が――。
“俺はその“なんか”って言う灯里と結婚したいと思っているから”
“だからもう二度と言うな。自分で自分の価値を下げるようなことをしたらだめだ”
いつになく真剣みを帯びた声に、ドキドキせずにはいられなかった。
あの声は冗談には聞こえなかった。……じゃあ本当に彼は私と結婚したいと思ってくれているのだろうか?
もしそうだったら私は……?
あの日からこの自問自答を繰り返してばかりだった。
おかげでいきなり今日の夜会うことになったばかりに、朝から時計が気になって仕方ない。
だって今夜、ずっと悩んでいた問題に答えが出るのだから。
「灯里ー!仕事終わったか!?」
就業時間終了数分前。
ソワソワと時計ばかりを気にしている時だった。
急にオフィスの扉が開くと同時にお兄ちゃんの陽気な声が聞こえてきたのは。
「え、代表?」
突然やってきたお兄ちゃんに唖然としていると、お兄ちゃんは得意気に言ってきた。
「今日は珍しくこの後予定がないんだ。だから久々に灯里と食事に行こうと思って」
「えっ!食事!?」