イジワル婚約者と花嫁契約
駅前では通勤帰りの人が忙しなく行き交っている。
周囲を見渡せば、私と同じように待ち合わせをしている人もいる。

「……ここに来るんだよ、ね」

いざ今から二十分後には会うのかと思うと、なぜかドキドキしてきてしまう。

そもそも彼とは、毎日のようにメールはしているけれど、会うのは二回目で一ヵ月ぶり。
この前はお見合いの席でだったし、両親の他にも人が沢山いて実際にふたりっきりになったのは、わずかな時間だけ。
でも今日は違う。最初から最後までふたりっきりなんだ――。

そう思えば思うほど心拍数は上がっていく。

どうしよう、半端なく緊張してきちゃった。

緊張から落ち着かなくなり、立ち上がり意味もなく周囲をウロウロしてしまう。

会ってどんな顔をすればいい?どんな話をすればいい?
そもそもこの格好、おかしくないだろうか……。気合い入れすぎって思われたりしない?

ショーウインドウに映る自分の姿を確認してしまう。
淡いピンク色のフレアワンピースに、白のカーディガン。
無難な服をチョイスしたつもりだったけど、パンツスタイルの方が良かったかな?
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