イジワル婚約者と花嫁契約
そんなことを考えながらまじまじと自分の姿を見ていると、自分が映る背後に映し出された人物に、目を見開いてしまう。
「こら灯里、こんなところでなにやっているんだよ」
ショーウインドウ越しに目が合ったのは、一ヵ月ぶりに会う彼だった――。
仕事帰りだから、この前と同じスーツ姿だった。
変なところを見られた気まずさと、久し振りに会う気恥ずかしさから動きが鈍くなってしまう。
ゆっくりと振り返り、身体を彼と向かい合わせたものの、「お久し振りです」なんて言葉しか出てこない。
しかもなに?ナチュラルに「灯里」とか呼んじゃっているし。
あまりに自然すぎて照れる。
メールで呼ばれるより電話。電話で呼ばれるより実際に会って言われた方が、うんと恥ずかしい。
「お久し振りです?……なに?」
「――え?」
意味が分からず顔を上げれば、彼は妖しい笑みを浮かべて何かを促している。
「その後に続く言葉だよ。この前メールで送っただろ?嫁になるための第三条は?」
「……っ!」
カッと顔が熱くなる。
「ほら早く」
どうやら彼は会うなり私に名前で呼ばせたいらしい。
「こら灯里、こんなところでなにやっているんだよ」
ショーウインドウ越しに目が合ったのは、一ヵ月ぶりに会う彼だった――。
仕事帰りだから、この前と同じスーツ姿だった。
変なところを見られた気まずさと、久し振りに会う気恥ずかしさから動きが鈍くなってしまう。
ゆっくりと振り返り、身体を彼と向かい合わせたものの、「お久し振りです」なんて言葉しか出てこない。
しかもなに?ナチュラルに「灯里」とか呼んじゃっているし。
あまりに自然すぎて照れる。
メールで呼ばれるより電話。電話で呼ばれるより実際に会って言われた方が、うんと恥ずかしい。
「お久し振りです?……なに?」
「――え?」
意味が分からず顔を上げれば、彼は妖しい笑みを浮かべて何かを促している。
「その後に続く言葉だよ。この前メールで送っただろ?嫁になるための第三条は?」
「……っ!」
カッと顔が熱くなる。
「ほら早く」
どうやら彼は会うなり私に名前で呼ばせたいらしい。