ちょっぴり恋して
今週はかおるさんと行き違いになった。

私が他の用事で時間を取られた為に

ランチタイムに間に合わなかったからだ。

彼女は午後一番に外出したとわかった。

携帯で連絡し合っていたので

受付で預かってもらっていた品を受け取ることができて

私はホッとしていた。

レストランで一人遅いランチを食べた。

ゆっくりとコーヒーを飲みながら外を眺めた。

コートでは午後のクラスの生徒たちが時間前にラリーを楽しんでいた。

私にはテニスは無理だ。

ボールを扱うスポーツは苦手だった。

ボールがどこへ飛んでいくかわかったものじゃないわ。

相手にも悪いし。

ラケットも重そう。

これから帰ったら3時過ぎになり仕事がズレてしまいそうだ。

私は在宅で翻訳をしていた。

要は締め切りに間に合えばいいのだけれど

一応独自のスケジュールを立てているので

少しのズレがこれ以上大きくならなければ大丈夫だと思った。

レストランを出てエントランスへ歩いた。

今月はサマーセールをしていたのでショップにはかなりお客がいた。

私の後ろからドヤドヤと数人の一団が歩いてきた。

たぶんクラブの午前の部の生徒たちだ。

皆しっかりした体格の中年女性で迫力があった。

その中の一人がドンと肩にぶつかり

私はよろけた拍子にグキッとやってしまった。

ズキンと左の足首に激痛が走った。

「あら、ごめんなさいね。」

とぶつかってきた中年女性は仲間とスタスタ外へ出て行った。

私は彼女のしたたかな態度に呆然と突っ立ったままだった。

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