ちょっぴり恋して
「コーチ!お疲れさまでしたー!」

「お疲れ、また来週!」

俺はエントランスのドア中へ入った。

この匂いは。

桃だ。

「うっ、痛っ。」

その女は片足でふらついていた。

「どうした?」

俺が聞くと足をひねったと言った。

「どれ?」

俺が左足のくるぶしをそっと押したら女はうめいた。

「医務室で手当てをしよう。歩ける?」

「い、いいえ、ちょっと無理かも。」

「仕方ない。俺が担いでやろう。」

ヒョイと女を抱っこした。

華奢だった。

上の医務室で湿布をしてやった。

白い肌に細い足首

彼女の印象は強烈だった。

この香りもそうだ。

胸がドクンと鳴ったように聞こえた。

俺の中で何かが震えた。

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