画家の瞳は何をみる?
しばらくの麻琴と悠里のにらみ合いの末、麻琴がフッと笑った。
「あなたはまだこの捜査室の本当の意味に気づいてない。とにかく、新也くんも協力してね」
麻琴はそれだけ言うと、捜査室を出ていった。
それと同時に健がふぅっと大きく息を吐く。
「……鑑ちゃん。なんであんなこと言うんだ。こっちが心臓持たないぞ」
「あの課長とアンタは波長が合わないんだね。」
続いて新也も言ってくる。
悠里はホワイトボードの前に立ち、腕を組んだ。
ジッと被害者の写真を見つめながら答える。
「波長が合わないんじゃなくて、嫌いなの。ああいうタイプ」
「自分が捨てられたからでしょ、あの人に」
その言葉に悠里の思考回路がとまる。
悠里が一課から捨てられたこと、それは警視庁内の人間しか知らないことだ。
健はわざわざそんなことを言うような人じゃないし。