殺戮都市~バベル~
その光景に、勇猛果敢に戦っていた人達でさえ、動きを止めて見上げる。


塔の前で、人間を見下ろして立つルークに、絶望を感じながら。


そして、その隙を見逃すほど化け物達は甘くなかった。


最前列で戦っていた人達は、恐怖した順に食われ、残った人達も、またその光景に恐怖する。


「あ、慌てるなっ!ルークがなんだ!私達が何とかする!だから今は目の前の敵と戦えっ!」


雪子さんがどれだけ叫んでも、その言葉は悲鳴に掻き消されて、皆には届かない。


「俺がやります!ルークを倒せるやつなんてそうはいない!」


「……いや、私がやる!真治がいないと戦えない西軍とか言われたくはないからね。ここ任せて良いかい!?」


俺の提案を断り、自らが戦うと言った雪子さん。


数人掛かりでやれば、そんなに苦労をしなくても済むだろうけど、その為に俺と雪子さんがこの場から離れると、ポーン達が後ろに控える人達を食ってしまうだろう。


「わかりました。でも、無理はしないでください」


「誰に言ってんのさ!」


そう言って、俺にニッと笑って見せると、雪子さんはジャンプして、ポーンを踏み付けながらルークへと迫った。
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