殺戮都市~バベル~
グラリと揺れるルークの肩に飛び乗り、前のめりに倒れる身体の上を移動する雪子さん。


多くのポーンとナイトを巻き添えにしながら倒れたルークの背中で、西軍の人達に向かって声を上げた。


「まだ絶望するには早いよ!!私がいる!沼沢もいる!ルークがなんだ!人間は、化け物なんかに負けやしない!」


雪子さんのその姿は、絶望に包まれていた人達を勇気付けたに違いない。


もう一匹のルークも、気付けば倒れている最中で、首から上が吹っ飛ばされたルークの胸元には沼沢が。


ルークをものともしない二人の行動は、西軍の人達にとって希望の光に見えた事だろう。


悲鳴が雄叫びへと変わり、奮い立った人達が再び戦いの意志を見せる。


言葉よりも行動。


それが人の心を動かすというのが良くわかる。


「真治!手間を掛けさせたね!こっちはもう大丈夫だから、行ってあげなよ、恵梨香ちゃんの所にさ!」


巨大な死骸の上で、雪子さんが笑って北軍の方を指差した。


いや、なんでここで恵梨香さんが出てくるんだよ。


それに、もう大丈夫ったって、今持ち直したばかりだろ?


「まだ手伝います!今行くのは不安ですから!」
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