殺戮都市~バベル~
通路の左側……塔の内部には、ポーンやナイトがうようよいると想像していた俺にとって、それらが一匹もいないのは意外と言うか、拍子抜けだった。


大きく弧を描いている通路。


外側に伸びる横穴もあり、それが位置的には南軍の方に向かって空いているのがわかる。


「真っ白な塔、ぼんやりと光る壁……か。なんだか別の世界に来ちまったみたいだよな。この光る壁、家にほしいな」


不安な気持ちを紛らわせる為か、名鳥がずっと喋っている。


俺も不安はあるけど……そんな時は、名鳥と違って黙ってしまうタイプだ。


「……順一、静かに。何か、声が聞こえる」


そんな中で、狩野が名鳥の服を引っ張って声を上げた。


こんな所で声?


不思議に思って声を済ますと……。









「……いないな。どうなってる」


「そんな事私に言われてもさー。待つしかないんじゃないの?」












通路の奥の方から、確かに話し声が聞こえたのだ。


しかもこの声は……沼沢と吹雪さん?


「行きましょう、もう塔の中に入ってる人がいる!」


俺は二人の背中を押して、通路の奥へと進んだ。
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