殺戮都市~バベル~
声のする方に進むと、案の定沼沢と吹雪さんがいた。


「あ、少年。やほやほー!なんかね、西軍にも同じ穴があったから、姉ちゃんに手伝ってもらって入ったんだ」


どうやってここに……と、俺が訊く前に吹雪さんが教えてくれた。


雪子さんか。


ルークを一刀で斬り伏せたあのパワーがあれば、香月と同じような事が出来るかもしれないな。


香月はパワーを抑えていたみたいだし。


他の軍でも同じような事が出来る人がいるかもしれない。


「へぇ、これはこれは。西の悪童、沼沢が来るとは思わなかったな。てっきり雪子ちゃんが来ると思っていたのに」


少し残念そうに、名鳥がハハッと笑って沼沢を見る。


それにしても……この街の人は異名を付けるのが好きなのか?


俺も黒狼って付けられたし、沼沢は悪童か。


「……俺で悪かったな。呑んだくれの名鳥順一」


これは異名なのか、ただの文句なのか。


いや、そんな事はこの際どうでも良い。


「それより、まさかぐるっと回るだけで終わりって事はないですよね?これだけだったら、何の為にここに来たのか……」


と、俺が言った時、吹雪さんが首を傾げて壁を指差した。
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