殺戮都市~バベル~
そんな話をしながら、少しばかりの時間が流れた。


通路をぐるりと回って来たのだろう。


恵梨香さんが、誰も連れて来られなかったのか、一人で俺達の前に現れて、その少し後に桜良がやって来た。


予想外の人を連れて。


「連れて来たよ!褒めて褒めて!」


俺の姿を見るなり、勢い良く抱き付いて来た桜良に、困惑しながらも引き剥がして、その頭を撫でる。


「よ、よしよし……」


この人、明らかに俺より年上だよな。


なんで俺が頭を撫でなきゃいけないんだろう。


「それにしても……まさか来てくれるとは思いませんでしたよ、大友さん」


桜良の頭を撫でながら、冷めた目で俺を見る大友にそう言うと、目を逸らして溜め息を吐いた。


「お前の為じゃない。俺には元の世界に子供がいる。会いたくなったから、お前の与太話に乗ってやるだけだ」


笑顔一つ見せない大友だけど、協力してくれるならそれでも良い。


これで……全員揃ったかな。


「ええい、いつまで頭を撫でているのだ!ここが塔の内部だという事を忘れるんじゃない!」


不機嫌そうに、桜良の頭から俺の手を引き剥がした恵梨香さんが、そのまま俺の手を引き、通路の奥へと向かった。
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