殺戮都市~バベル~
「なんだ……ここ」


まるで塔の中身がくり抜かれたような、どこまで続いているかわからない吹き抜け。


塔の中央には、不気味な蛇の彫刻が施された太い柱があって、俺が今、立っている床の真ん中にある、大きな穴の下から続いているのがわかる。


「無茶苦茶だな……こんな構造の建物が倒壊しないなんて」


塔の上を見上げた大友が、呆れたように呟いた。


俺には建築の事はわからないけど、この塔の高さは異常だって事はわかるかな。


「あ、皆、こっちこっち。ほら、そこに階段がある。これを上れって事じゃないの?」


このフロアに上がって、興味深そうに歩いていた桜良が、内壁に設置されている階段を見付けて声を上げた。


それは、塔の内側に設置された螺旋階段。


ここから、ずーっと上の、霞んで見えないその先まで続いている階段を見て……俺は、言葉を失った。


「おいおい……もしかして、ただひたすらこの階段を上るんじゃないだろうな?勘弁してくれよ……俺はもうアラフォーよ、アラフォー。おっさんなんだからさ、エレベーターとかないの?わりとマジな話でさ」


名鳥の口から、この目が眩むような高さの塔を見上げて、弱音が飛び出した。
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