殺戮都市~バベル~
「文句を言っても仕方あるまい。ここまで来たんだ、上るしかないだろう。それとも、機能が停止したPBMを持って、街に戻るのか?」


恵梨香さんの言う通りだ。


ここまで来て引き返すなら、さっき警告があった時点で引き返すべきだったんだ。


もう、先に進むという選択肢しか残されてはいない。


外では、この先二度とないであろう大規模な戦闘が行われているんだ。


塔を上る、最後のチャンスを貰ったと考えるしかない。


「順一、行きましょう。私達にしか出来ない事を成す為に来たんでしょ?だったら、弱音を吐いていても仕方がないわ」


その狩野の言葉に、名鳥は反論する事も出来ないようで、口をぱくぱくと動かしながら、諦めたような表情を浮かべて溜め息を吐いた。


今しかない。


今よりも過去でも未来でも、もしかするとこのメンバーでここに辿り着く事は出来なかったかもしれない。


そう考えると、ここにいる、この瞬間が一番良いタイミングだと信じたい。


「それじゃあ行きましょう。何があるかわからないから、気を抜かないようにしてください」


左手で取り出した鞘に刃を納めて、俺は階段へと向かった。


この一番頂上に、俺が望む物があると信じて。
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