殺戮都市~バベル~
階段を駆け上がる事10分。


武器の力で、身体能力が格段に上昇している俺達でも、延々と階段を上るというのは辛い。


微かに疲労を感じ、それが徐々に蓄積されて行く。


こんな所でソウルを消費するのは嫌だけど、通常回復を行いながら上らなければ足が止まってしまうから、皆、通常回復を選択して階段を上っていた。


「随分上ったねえ……下が霞むくらい上ったのに、上は全然見えもしないなんてさ。やだやだ」


相変わらず名鳥が愚痴をこぼす。


回復しながら上るという手段を取って、肉体的には余裕があるように思えるけど、この長い階段がモチベーションを低下させるんだろうな。


「いくら私達でも、多分この高さから落ちたら助からないだろうねー。誰か確かめてくれない?沼沢、やってみない?」


「……お前を落としてやろうか?」


後ろから、吹雪さんと沼沢の声が聞こえるけど、それに返事をする余裕すらない。


俺自身、この階段を上るのが精一杯で、人の事を考えている余裕がないのだ。


肉体的ではなく……もちろん精神的に。


どれだけ駆け上がっても、ずっと同じ風景が続くというのは精神に堪えるんだよな。


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