殺戮都市~バベル~
引きずる音は、ビショップが移動している音。


神谷と美優を殺し、多くの人やポーン、そして沙慈を一瞬で肉塊へと変えた凶悪な化け物が横にいる。


それは、階段を上っていても、常に見張られているようで、生きた心地がしない。


「ねえねえ、今のうちに攻撃仕掛けるのはダメなのかな?ズバーッとやったら、ヒューンって落ちて行くかもしれないじゃない?」


いつも楽天的な吹雪さんは、こんな時でも変わらない。


「やってみろよ。その円盤で、こいつの太い身体が切れるならな。轟のバトルアックスでも、大したダメージがなかったんだぞ」


その言葉に、沼沢が呆れた様子で答えた。


うん、それを俺も見ていたけど、星5レアの渾身の攻撃で、切断どころかほぼ無傷だった。


街の地中にいたから、出会う事はないと勝手に思っていただけに……この遭遇は予想外だ。


「胴がダメなら、やはり頭部を狙うしかないな。ルークがそうだろう?頑強な鎧に阻まれて、攻撃などほとんど通らない。頭を狙うのが早い」


大友が、自分のこめかみを指差して見せた。


遠距離攻撃が出来る人は良いけど、問題は俺みたいな近距離しか戦えない人間なんだよな。


俺達が今いる階段から、ビショップが巻き付いている柱まで、30メートルはある。


足場が階段しかないこの場所で、どうやって戦えば良いのか。


それがわからなかった。
< 1,376 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop