殺戮都市~バベル~
桜良の情熱的なキスの余韻が、唇に残っている。


上に乗られていた感覚も、頬に手を当てられていた温もりも、本当に夢じゃないかと思ってしまう。


「う……ん。少年……」


隣で寝ている恵梨香さんの寝言が、俺をビクッと震わせる。


「だ、大丈夫ですよ……俺はここにいますから」


慌てて恵梨香さんの頭を撫でて、何とか起こさないようにと必死になる。


身体を休めるつもりが、突然の桜良の襲撃で、身体を休めるどころか興奮してしてしまって眠気が吹き飛んだ。


あいつはどうしてこんな事をしたんだろう。


俺を可愛いとか言っていたけど、本当に言ってたのかな。


寝起きと共に俺を襲ったわけのわからない事態が、心をぐちゃぐちゃに掻き乱す。


でも……次に桜良と会ったら、絶対に戦わなきゃならないんだよな。


こんな心境で戦えるのか……。


ただの敵だと認識していたのに、物凄い勢いで距離を詰めて、どうしても気にしてしまう存在になってしまった。


まるで、恵梨香さんに出会った時のように。


ここにいたら雑魚はやって来ないって、大山田は言っていたけど、あのレベルの人は来るんだな。


殺されなくて良かったと、本当に思うよ。
< 993 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop