彼の優しさ

俺たちは十数分歩いていると島原先生のスマホが鳴った。

「失礼します。」と言ってスマホを耳に当てて話してる。…?段々顔つきが、厳しくなってる。

「中央病院?…あ、はい。国道沿いの……分かりました。直ぐに向かいます。」島原先生が俺に向かって

「さっき会った結城が、怪我をしたそうだ。中央病院に急ぐぞ。」と言ってパーキングに駐車料金を払い停めてあるそれぞれの車に乗り込んだ。


ー中央病院ー

言われていた場所に着くと結城が処置室から一人で出てくる所だった。…また、一人で?

左腕には包帯。肌が白いため余計に痛々しさがある。

「ありがとうございました。」そう部屋の中に居るであろう人に声を掛けて、視線を感じたのかこっちを向いた。

「先生…」怪我をしてしまった事に俯いてしまった。


「怪我は?」島原先生が結城に聞いてる。

「5針縫いましたが、大丈夫です。後わたしを傷付けた人は例の不審者でした。」

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