冷徹なカレは溺甘オオカミ
表情はまったくにこやかじゃないくせに社交性はある印南くんも、ありがた迷惑なことに自ら場をつないでいく。
「柴咲さんにお姉さんがいらっしゃったなんて、初めて知りました」
「うふふ、この子あんまり自分のこと話したがらないんでしょう? 昔からこうなんですよ~」
「そうなんですか。妹さんには、とてもお世話になってます」
「いえいえこちらこそ~。ウチの妹が、たいッッへんお世話になってるらしくて」
「お姉ちゃん……!! さすがにそろそろ行った方いいんじゃないかな……!!?」
彼女の言う『たいッッへんお世話になってる』ことに例の“業務命令”の件も含まれている気がして、あわてて会話をぶった斬った。
若干、不満げな顔はされたけれど。さすがにこちらが仕事中ということは考慮してくれたのか、「じゃあね柊華ちゃん印南くん~」なんて言いながらしぶしぶお姉ちゃんは駅の方向へと消えていく。
その後ろ姿を見送って、深くため息をついた。
あ、あぶない……何気ない会話の途中に突然下ネタをぶっこむことも辞さないあの人のことだから、印南くんの前で“業務命令”の話を持ち出すのも絶対時間の問題だったわ……。
というか、お姉ちゃんに印南くんとのことを話したって本人に知られるのも、めちゃくちゃ気まずいし。……印南くん、いくらなんでもさっきのやり取りだけでそこは気づいて、ないよね?
「柴咲さんにお姉さんがいらっしゃったなんて、初めて知りました」
「うふふ、この子あんまり自分のこと話したがらないんでしょう? 昔からこうなんですよ~」
「そうなんですか。妹さんには、とてもお世話になってます」
「いえいえこちらこそ~。ウチの妹が、たいッッへんお世話になってるらしくて」
「お姉ちゃん……!! さすがにそろそろ行った方いいんじゃないかな……!!?」
彼女の言う『たいッッへんお世話になってる』ことに例の“業務命令”の件も含まれている気がして、あわてて会話をぶった斬った。
若干、不満げな顔はされたけれど。さすがにこちらが仕事中ということは考慮してくれたのか、「じゃあね柊華ちゃん印南くん~」なんて言いながらしぶしぶお姉ちゃんは駅の方向へと消えていく。
その後ろ姿を見送って、深くため息をついた。
あ、あぶない……何気ない会話の途中に突然下ネタをぶっこむことも辞さないあの人のことだから、印南くんの前で“業務命令”の話を持ち出すのも絶対時間の問題だったわ……。
というか、お姉ちゃんに印南くんとのことを話したって本人に知られるのも、めちゃくちゃ気まずいし。……印南くん、いくらなんでもさっきのやり取りだけでそこは気づいて、ないよね?