冷徹なカレは溺甘オオカミ
何の迷いもなくキッパリ答えて、彼はわたしの疑いをいとも簡単に跳ね除ける。
「あのカフェで鈴音と会ったのは、本当に偶然でした。あいつ、最初柊華さんを見たとき普通に俺の彼女だと思ったらしくて。いつもの調子で俺に話しかけたことで、柊華さんが気を悪くしたかもって心配したそうですよ」
「あ……」
そっか。印南くんにわたしのことを訊ねながら鈴音さんがちょっとだけ不安そうにしてたのは、そういうわけだったんだ。
……でも。
「印南くんあのとき、わたしのこと『職場の先輩』って、言った……」
「ああそれは、単に今の関係を鈴音に知られたら根掘り葉掘り聞かれて面倒くさいと思ったからです。俺だって、本当なら堂々と『俺の彼女』って紹介したかったですよ」
彼のちょっと低い声で答えてもらうたび、わたしの中の不安が確実になくなっていく。
……鈴音さんは、印南くんのお兄さんと結婚してる。
印南くんに、婚約者はいない。
でもまだ、1番大きな疑問が、残ってる。
「……どうして、嘘、ついたの?」
鈴音さんと自分は婚約者だ、なんて。
それってやっぱり、わたしのことを遠ざけるためにわざと言ったんじゃないかって、思ってしまう。
「あのカフェで鈴音と会ったのは、本当に偶然でした。あいつ、最初柊華さんを見たとき普通に俺の彼女だと思ったらしくて。いつもの調子で俺に話しかけたことで、柊華さんが気を悪くしたかもって心配したそうですよ」
「あ……」
そっか。印南くんにわたしのことを訊ねながら鈴音さんがちょっとだけ不安そうにしてたのは、そういうわけだったんだ。
……でも。
「印南くんあのとき、わたしのこと『職場の先輩』って、言った……」
「ああそれは、単に今の関係を鈴音に知られたら根掘り葉掘り聞かれて面倒くさいと思ったからです。俺だって、本当なら堂々と『俺の彼女』って紹介したかったですよ」
彼のちょっと低い声で答えてもらうたび、わたしの中の不安が確実になくなっていく。
……鈴音さんは、印南くんのお兄さんと結婚してる。
印南くんに、婚約者はいない。
でもまだ、1番大きな疑問が、残ってる。
「……どうして、嘘、ついたの?」
鈴音さんと自分は婚約者だ、なんて。
それってやっぱり、わたしのことを遠ざけるためにわざと言ったんじゃないかって、思ってしまう。