冷徹なカレは溺甘オオカミ
◇ ◇ ◇
ふと自分のすぐそばに気配を感じて、ゆっくりと目を開けた。
その直後、ソファーで横になったままの俺は、予想外に至近距離にいた人物とまともに視線がぶつかる。
「……柊華さん。何やってんですか」
「ひっ、あああのこれは……っ」
目が合った瞬間びくりと肩を震わせて手の中のモノを自分の背後に隠した彼女だけれど、俺にはしっかり見えていた。
ソファーから手を伸ばし、柊華さんが後ろにまわしている腕をやすやすと掴む。
「なんでビューラーなんて持ってるんですか。まさかそれで俺のまつげをカールさせようとしてました?」
「うう……っ」
顔を赤くして、言葉に詰まる柊華さん。
……さっきまどろみの中で聞いた『よし!』は、これのことだったか。
以前から彼女は俺のまつげに興味津々なご様子だったけれど、まさかうたた寝している間にいじられそうになるとは思わなかった。
「す、すみませんでした……っひゃ、」
無言で彼女の腕を引き、その身体を引き寄せる。
バランスを崩した柊華さんはあっさり俺の上に覆いかぶさるような状態になって、とたんに身を固くした。
「あ、あの、大智くん?」
「ついこないだまで処女だったあなたがこの俺を襲おうだなんて、100年早いですね」
「お…っそ、だなんて……っ」