シャッターの向こう側。
「だって、私には関係ないですもん」

「ちなみに、今野はお前が落選したフォトコンで佳作を獲ってるぞ」

「……うっ」

 フォトコンの入賞者?

 入賞者……

 ……優秀賞以外の人は、覚えてない。

「そ、そんな凄い人がいるんですね~」

 写真を返して、にこやかに微笑む。

 宇津木さんはしばらくその写真を眺め、今度は加納先輩を見た。

「……え。嫌よ?」

「まだ何も言ってないだろうが」

「なんとなく想像つくもの。アイツは外面はいいけど、私には対応酷いんだから~」

「半分はお前のせいだろうが。仕事を落とすのと、どっちを取る?」

「え……それは」

 宇津木さんと加納先輩はコソコソと話をしだして、最終的に宇津木さんはニヤリと笑い、加納先輩は肩を落とした。

「ピヨ。14時までにA社とT社のフォトをメモリに移したら俺にくれ。それから加納の仕事に行ってこい」

 どこか晴れやかな宇津木さんに首を傾げて、おにぎりを頬張る。

「まだガンマ補正とかも済んでないですけど」

「俺がやるからいい」

「え~……」

「どっちにしろ、最終的に俺が補正するんだから一緒だろうが。だから行ってこい。ただし、直帰しないで一度社に戻って来いよ?」

 よく解らないけど。

 まぁ……いいか。

「解りました」

 それから加納先輩と一緒にスタジオ入りして、急遽〝秋のファッション・姫コレクション〟と銘打った雑誌の仕事をさせてもらう。

「雑誌ですか~……」

 珍しい。

「うん。企画と合同で……」

「企画ですか……」

「ここだけの話、企画の仕事って、いつも急で困るのよね」

 なんて、宇津木さんと似たような事を零しながら、終わったのは18時を少し過ぎたあたりだった。

「お疲れ様」

「お疲れ様です!」

 居残るスタイリストさんや企画の人に声をかけてスタジオを出ると、外はすでに夜の空。

「日が暮れるのも早くなりましたね~」

「何を黄昏てるの。会社に一度戻らなきゃいけないんだから急ぐわよ!」

 加納先輩が腕をぐいぐい引っ張る。
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