シャッターの向こう側。
 ディレクターであり、グラフィックスの宇津木さん。

 ただのフォトグラファーだけど、写真家を目指す私。

 捕らえ方も、変え方も、少しづつ違うとは思うけど……

 見ているモノは、とても似ていると思うんだ。


 実は最初から感じていた事。


 だって宇津木さんのデザイン……私は好きだ。


 これって、ある意味すごい。


 感性は人それぞれ違う……と思う。


 例えば中学の頃、2年生になると野外合宿と言うのがあって、グループを作ってバンガローに泊まった。

 自然を体験しましょうってのがコンセプトなんだと思う。

 夜になると、街灯もないキャンプ場は綺麗な星空が見えた。

 この間の様な星空……とまでは行かなかったけど、それなりに綺麗な星空を一人のクラスメートと眺めていた。

 『星空が好きなの』

 そう言った彼女は、私に丁寧に星座を並べ立ててくれた。

 正直な所を言うと……

 うるさいな、と思った。

 星座はどうでも良くて、ただ綺麗に見える空を眺めているのが好きだった。

 でもその娘は、空にどれだけの星座を見つけられるか、そうやって眺めているのが好きだった。

 同じ様に〝星空が好き〟なのに、受け取り方はまるで違う。

 同じモノを見ても、同じ感想にはならない。


 それぞれ違うんだな。

 と、感じた最初でもあった。


 なのに、宇津木さんって結構ピンポイントで、私の好みにあてはまる写真の使い方をする。

 T市の仕事でもそう。

 ……打ちひしがれたワンワンの着ぐるみ写真はともかく。

 あ、やっぱりここに使ったんだな。

 てのは多数あったけど。

 これ、こんな風に使っちゃったの?

 と言う風にはならなかった。


 他の人だと、結構よくある事だから、少しだけビックリした気がする。


 それに宇津木さんって、駄目な時は情け容赦なく撮り直しを要求してくるけど、画像自体の変更は求めて来ない。

 たまに、感度調節は求められる。

 けど……私の写真を、だいたいそのまま使うのが宇津木さんでもある。

 それって、同じモノを似たように見てるって事でしょ?
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