魔王のオモチャ







『…………うーん…
まさか、トヨが自分の存在に気づくなんて思わなかったよー』





「…………認めるんだな?俺が本当の勇者だって……」





『うん。認めるよ〜
トヨは、本当の勇者だ

だから僕は、今のトヨの血を飲めない』













やっぱり、俺は……

勇者だったんだな……












『僕って、元天使だって知ってるよね?
だから、僕と仲が良い天使が教えてくれたんだ〜

神が勇者を創るってことを……



それで僕は思ったわけだ

別に勇者と戦ってもいいけど〜
それじゃ、つまらない


あっ、勇者を悪魔にしちゃえば面白いんじゃないか?ってね〜


それで、トヨにお告げを伝えようとしている天使を殺して
僕が先にトヨに会い悪魔にしたってわけさ〜』






「そういうことかよ……」












まあ、オヤジが俺の前に現れなくても

俺は、勇者になる気なんて、さらさらなかったがな……










『勇者から悪魔になったトヨは凄まじかった
あっ、魔力のことだよ?

上級悪魔より魔力が強すぎるなんて思わなかったよ〜
思わず、魔王にしちゃった



しかも、悪魔になったトヨは……
すっごい血が美味しいから……

それにも驚かされたよー』







「…………勇者から悪魔になったからな…
血は分からんが、魔力は桁外れに強いだろうな……」











神も天使も俺が悪魔に……

しかも、魔王になるなんて思わなかっただろう……



だから、どうしても俺を消したかったのか

オヤジが選んだ光を代わりに勇者にしたんだろうな……










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