新選組と最強子供剣士
穏やかな口調と雰囲気でそう言った山南さん。


雰囲気も穏やかだし、悪い人でもない。


むしろいい人だ。


だけど、油断できない。


でも、ちょっとこの人に興味あるんだよね。


話してみたいとは思ってたり‥‥‥


「剣壱」


「あ、斎藤さん。何?」


「北凪のあの剣術は‥‥‥」


「あれ?剣舞だよ。えっとねぇ、相手を誘い惑わす魅(み)せる剣なんだ」


「みせる?」

       ・
「魅力するの[み]だよ」


試合はまだ続いており、どっちも譲らない。


だけど、僕から見れば押されているのは藤堂さんの方。


藤堂さんは立の剣術によって、立の思い通りの場所に剣をふっている。


藤堂さんは今、立の手の平で踊っている。


だからといって、立が圧倒的優勢ではない。


剣術の腕は藤堂さんの方が上だから、どう攻めようか迷っている。


簡単に攻めたら斬られる。


さて、立、どうする?


「はぁっ!」


先に動きがあったのは藤堂さんだった。


態勢を低くして足を払う。


「あれは剣壱の‥‥‥」


斎藤さんが驚いた声を出す。


あれは、僕が藤堂さんの試合でやったもの。


あちゃー、盗まれたか。


けど、


「はっ!」


立はそれを読んでいたように、足を払われる前にジャンプし、そのまま上から藤堂さんに一太刀を入れた。
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