新選組と最強子供剣士
未来では気はいつも抜かなかった。


いや、抜けなかった。


殺し屋は、裏の仕事はさまざまなところから怨みを買う。


僕は結構有名だったみたいだから、普段の生活の中でも狙われていた。


寝ている時も気は抜けない。


時には同業者の殺し屋からも狙われることがあるくらい。


基本、裏仕事はお金さえ貰えればどんなことでもするところが多いし。


金をつぎ込めばつぎ込めむほど動く。


僕は‥‥‥人間の汚いところを沢山見てきた。


僕も‥‥‥綺麗じゃない。


「剣ちゃん?」


「ん?何?」


「‥‥‥私、何か気に障ることした?」


「ううん、してないよ」


お梅さんは僕をジッと見つめる。


多分、この人は人の心に敏感なんだろう。


お梅さんと性格がよく似た人を知っている。


「剣ちゃん、私に出来ることがあれば言って。
力になるわ」


「え、どうして?」


「剣ちゃん、すごく寂しそうなんだもの」


寂しそう?僕が?


‥‥‥‥何か勘違いしてるような?


ま、いいか。


「じゃあさ、聞いていい?」


「何?」


「芹沢鴨って人、知ってる?」


お梅さんの表情が大きく変わった。


驚いた顔をして、次に首を傾げる。


「どうして?」


「興味があるから」


そういいながら、僕は髪をかきあげて額の傷をお梅さんに見せた。
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