新選組と最強子供剣士
僕は一瞬お梅さんのことだと思ったが、男の目はずっと僕を見ている。


「桜木剣壱、少しお時間をいただけますか?」


神々しく輝く淡い金の髪と瞳。


発する声は心地よく低い。


背が高く鋭い目線に掴まれれば抵抗など消えてしまいそうだ。


来ている着物は白で、見ただけでも肌触りがよいとわかるほど高価なもの。


まだまだ夏なのに白のマフラーをしている。


あれ?マフラーってこの時代からあったっけ?


「け、剣ちゃん、知り合い?」


僕は男を見つめる。


悪意は‥‥‥なさそうだな。


僕の名前知ってることも謎だけど、調べる方法はいくらでもあるし。


「お梅さん、僕ちょっと行ってくるね」


「え?」


「情報ありがとう!じゃあ、またね~」


立ち上がり、お梅さんに笑顔で言う。


それから僕は男のそばに行った。


「場所を変えましょう。ついてきて下さい」


男は人気のない狭い道を通っていく。


僕はそれについていった。










目の前に一軒屋が建っている。


男はそこで立ち止まった。


「こっちです」


随分と人気のないところに建ってるな。


男が建物に入り、階段を上がっていく。


襖を開けると、そこにはあらかじめ机と二枚の座布団が置いてあった。


「どうぞお座り下さい」


僕が座布団に座ると男も向き合うように座る。
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