ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「どうしてですか?」
「…国民の不安を煽りたくない。…っていうのは表の理由ね。」
ジアは苦笑いを零す。
「あたしね、まずは国の仕事を覚えていく必要があると思っていたの。」
「次期国王になられるのでしたら、それはそうでしょうね。」
「それと並行して、魔法の勉強もしたの。でも、全然使いこなせなくて。」
「…それは、なんというか意外ですね。ジア様、器用ですのに。」
「器用なんかじゃないよ!…できるようになったのって、これくらい。…フォールグロウ。」
ジアの指先にぽっと灯りが灯る。それを見たシラの目が輝いた。
「…綺麗ですね。優しい灯りです。」
「ね。あたしも好きなの、この灯り。」
「…キース様との思い出がおありなのでは?」
「な、なんで!?」
「灯りを見つめる目の先にあるものを感じました。」
「…シラ、スパイとかできるかもよ?」
「そういう意味で、鳥はいいかもしれませんね。向いています。さ、話がずれました。どうぞ。」
「…う、うん。」
ここからは、キースにもミアにもクロハにも言ってこなかったことだった。
「…あたしがもっと、人の役に立つ魔法を覚えて、それを使えるようになれば魔法使いへのイメージが変わるかなって思ったの。そういう風に変えたかった。あたしが一番最初に魔法使いであるということを明かして、魔法は役に立つ、怖いものじゃないって伝えていく。そうすることで、…魔法使いも生きやすい国になって、魔法が生かされて、ハルアトスがもっと幸せな国になればって…。」
「…少しも間違っていないのでは?」
「…ありがと。でもね、失敗しちゃった。あたし、キースに魔法を使わせるか、悩ませてしまった。」
自分を龍から守ろうとしたキースの表情が、脳裏に焼き付いている。あんな顔をさせたいわけじゃなかった。
「…国民の不安を煽りたくない。…っていうのは表の理由ね。」
ジアは苦笑いを零す。
「あたしね、まずは国の仕事を覚えていく必要があると思っていたの。」
「次期国王になられるのでしたら、それはそうでしょうね。」
「それと並行して、魔法の勉強もしたの。でも、全然使いこなせなくて。」
「…それは、なんというか意外ですね。ジア様、器用ですのに。」
「器用なんかじゃないよ!…できるようになったのって、これくらい。…フォールグロウ。」
ジアの指先にぽっと灯りが灯る。それを見たシラの目が輝いた。
「…綺麗ですね。優しい灯りです。」
「ね。あたしも好きなの、この灯り。」
「…キース様との思い出がおありなのでは?」
「な、なんで!?」
「灯りを見つめる目の先にあるものを感じました。」
「…シラ、スパイとかできるかもよ?」
「そういう意味で、鳥はいいかもしれませんね。向いています。さ、話がずれました。どうぞ。」
「…う、うん。」
ここからは、キースにもミアにもクロハにも言ってこなかったことだった。
「…あたしがもっと、人の役に立つ魔法を覚えて、それを使えるようになれば魔法使いへのイメージが変わるかなって思ったの。そういう風に変えたかった。あたしが一番最初に魔法使いであるということを明かして、魔法は役に立つ、怖いものじゃないって伝えていく。そうすることで、…魔法使いも生きやすい国になって、魔法が生かされて、ハルアトスがもっと幸せな国になればって…。」
「…少しも間違っていないのでは?」
「…ありがと。でもね、失敗しちゃった。あたし、キースに魔法を使わせるか、悩ませてしまった。」
自分を龍から守ろうとしたキースの表情が、脳裏に焼き付いている。あんな顔をさせたいわけじゃなかった。