ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「と言っても、まずはランとの話をつけなくちゃいけないんだけどね。」
「ランと話、ですか?」
「うん。あたしまだ、結局ランが何をしたくてあたしをここに連れてきたのかもわからないし。夕食の後、ランに声を掛けてみるつもり。あと、説得もしようと思ってるよ。」
「説得に…ランは応じるか…わかりませんが…。」

 シラは不安そうな表情を浮かべている。

「でもね、ランが自由にしていいって決めてくれたから、あたしは3日間アスピリオを見て回ることができた。それはやっぱり、感謝しているから。
あと、シラ。あなたに一番感謝しているわ。ずっと一緒にいてくれて、アスピリオのことをたくさん教えてくれてありがとう。」

 シラがいなければ、こんなに楽しく過ごせなかったかもしれない。それに、こんなに知識を得ることも。

「逃げ出したりしないわ。ちゃんとランに納得してもらえなければ出れないし。龍のあのスピードでどれだけ飛んだか感覚でしかないけど、かなり遠くまで来てしまったのだろうし、ね。」

 ジアはシラにウインクした。勝算があるわけではない。それでもランに真っ直ぐ向き合わなくては次に進めない。そして、進む先にいてほしい人の顔を思い浮かべる。

(…ちゃんと自分で終わらせるし、…頑張るから。)
< 46 / 100 >

この作品をシェア

pagetop