指先からはじまるSweet Magic
なのに……。


圭斗は一瞬目を瞬かせてから、フワッと笑った。


「心配、ありがとう」


一言そう言ってから、リビングのソファにグッと背を預けて、大きく両腕を天上に突き上げて伸びをした。


「でもその辺は大丈夫。昔っから懇意にしてる経営コンサルタントのお客さんがいてね。その人が協力してくれてるし、スタッフも……経理知識とか詳しい変わり種の経歴持ったアシスタントがついて来てくれるから」


そう言った圭斗に、思わず、本当に?と身を乗り出してしまった。
そんな私に、圭斗は小さく苦笑した。


「まあ、俺だって、自分の店を持つからには、そういうの面倒だなんて思ってらんないし」


圭斗はそう言って、少し背を屈めた姿勢で、軽く私を振り仰いだ。


「そろそろ男としてもいろいろ責任背負わなきゃいけないしね」


いつになく男らしいセリフを口にして不敵に微笑む圭斗に、思わずドキッとした。
なんだか意味深な言葉が気になる。


「あ、あの、圭斗。それって……」


純粋に、仕事を意識しての言葉なのか。


まさか、結婚とか……?
同い年の圭斗にいろんな意味で先を越されることに焦って、つい顔を引き攣らせて圭斗を見つめ返してしまった。


なのに、圭斗はふんわりした笑みではぐらかす。
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